「えーっっっっ!!!!」
「イヤーッ!!!」
「へ、ヘンタイーっっ!!!」
 女子が一斉に悲鳴を上げる。
「しかも代わりに自分の笛、妙に渡そうとしてさ〜!!!間接キッスとかこっそり喜ぼうとした訳?」
「い、いや……」
 口下手な近藤がなんとか下手な言い訳をしようとする。
「間接キッスなんて、コイツの妄想は、んな甘っちょろいもんじゃないって。
 志村が笛を吹くのを見ながら、俺の下半身のリコーダーも、志村に舐めて咥えてぐっちょんぐっちょんのねっちょんねっちょんに吹きならしてもらいたいぜ、げへへへへって、そーいう腹よ」
「キャーッッッ!!!」
 また派手な悲鳴があげる。
「お、沖田くん、俺、何もそこまで……」
「………己、クソゴリラがぁ……」
 近藤の背後に、ゆら〜っと殺気だった志村が不幸の始まりの心霊写真のように音もなく立つ。
「待って、待ってくれ、志村さん、俺、何もそこまでは……」
「ぐっちょんぐっちょんってか!!!あたしがてめぇのゴリラヅラ、二度と見られないぐっちょんぐっちょんにしてやらぁ!!!」
 志村が馬乗りになって、近藤をボコボコにする。
「ぎゃーっっっ!!!!」
 教室に近藤の断末魔の叫びが響く。
 けっ。いい気味だ。俺の貴重な睡眠時間を奪った罰だ。