土方が、俺に殴りかかってきた不良の腕を掴み、俺を馬鹿にしたように見ていた。
 ぐいっと、土方の腕が伸びてきて、俺を自分の後ろに回す。
 は〜??
「邪魔すんな!!!」
「馬鹿!!!ずっと探してたんだぞ?」
「おいおい、俺達を無視して、イチャついてんじゃねーよ!!!」
「誰がイチャついてるって!?ふざけんな!!!!」
 くだらねぇ突っ込みを入れてきた不良どもに向かって叫ぶ。
 また足が出そうになったが、
「そんな格好で蹴りを出すな!!!みっともない!!!」
 と土方に怒鳴られた。
「うるせぇ!!!」
 と反射的に邪魔なスカートを捲って、土方に蹴りを入れる。
「やめろ!!!スカートの中が見える!!!」
「ブルマはいてっからいーんだよ!!!」
「そーいう問題じゃねぇ!!!」
「おいおい、痴話喧嘩はじめんじゃねぇよ…」
「痴話喧嘩じゃない!!!!」
 あぁ、もう何もかもがむかつく!!!!
「やるなら、俺が相手になってやるよ」
 土方が、指を鳴らしながら凄む。
「カッコつけてんじゃねーよ!!!ばーか!!!」
 と俺が土方に向かって野次を飛ばす。
「助けてやろうとしてるんだろーが!!!」
「助けてくれなくて結構だ!!!」
 派手な騒ぎに先生達が走ってきた。
「やべっ」
 と、他校の不良どもが逃げていく。
 喧嘩っぱやい俺は反射的に追いかけようと駆け出したが、ぐいっと土方に腕を掴まれて止められる。
「離せっ」
「帰るぞ」
「帰る?」
「教室に戻るぞ。俺はお前を見つけて帰らないといけないんだ」
「お前まで志村の言いなりか!!!」
「お前を連れて帰らないと、近藤の命がないからな」
 土方がそういって、本当に嫌そうにため息をついた。