「いーやーだ!!!離せ〜!!!!!」
 土方が俺の腕を握って力いっぱい引っ張る。むかつくけど、力では叶わず、どーしてもずるずると引きずられてしまう。
「痴漢〜!!!!こいつ痴漢だ〜!!!!!」
「人聞きの悪いことを言うな!!!!」
 と土方が怒鳴る。
 その場にしゃがみこんで抵抗する俺を、土方がいきなり俺をお姫様抱っこで抱き上げた。
 何故か、それを見ていた外野からキャーッと黄色い悲鳴が上がる。
「離せ!!!馬鹿やろーっっっ!!!!」
「おとなしくしやがれっっっ!!!!」
 思いっきり暴れたら、今度は肩に担がれた。
「変態!!!!ぎゃー!!!!お尻触るなーっっ!!!!」
「触ってねぇよ!!!!つーか、暴れんな!!!スカートの中が見えるだろ!!!!恥ずかしい!!!!」
 どこかからかたこ焼きのソースが焦げるいいにおいがした。
 ぎゃーぎゃー騒いでたら、お腹空いた。そいや、朝から何にも食ってない。
「腹減った!!!腹減った!!!たこ焼き食べる〜!!!!たこ焼き〜!!!!!」
「あーもう、騒ぐな!!!!」
 俺を肩に担いだまんま、たこ焼き屋をやっている教室に入っていく。女子が黄色い悲鳴を上げる。
 そして、俺を肩から下ろして、椅子に座らせた。
「これ、食ったら帰るぞ」
 だってさ。
 仕方なく、向かい合って、タコ焼きを食べた。
「土方、マヨネーズ掛け過ぎ!!!!自分のだけにかけろよ!!!」
「これが美味いんだ!!!」
「あ、ここは土方のオゴリな?」
「ふざけんな!!!!てめぇ!!!」
 ギャーギャー騒ぎながらたこ焼きを食べた。隙を見て逃げようとしたけど、結局、逃げ切れず、腕を掴まれたまんま、教室まで引き戻された。
 結局、たこ焼きはおごってくれた。