五時間目の終了の鐘がなった。
「そろそろ片付けを開始してください」
 放送が入る。来賓の皆さま、お疲れ様でした。うんぬん。かんぬん。

 ガタガタと音を立てて、教室の片付けが始まる。
 テーブルクロスを外し、机を元の位置に戻し始める。使った食器を集めて洗いに行くもの。不要なゴミを集めるもの。
「飾り取らなきゃね〜」
 と誰かが言った。
 教室の四方が、まるで小学生のお誕生日会みたいに飾られている。
 誰かが脚立を運んできた。
「あ、俺、取ってやるよ〜」
 と高いトコロが好きな俺が脚立に上る。
「高くて気持ちいーなぁ」
 と調子に乗ってたら。
「そんな短いスカートはいて、脚立にのぼんじゃねぇ!!!!」
 といきなり下から土方に怒鳴られた。
「あーもういくら俺のこと好きだからって、やきもち焼くなよ、うるせーなぁ」
「きゃーっ!!!」
 女子が喜んで悲鳴をあげる。
「みっともねーんだよ!!!」
「そうがっつくなよ。ほら、サービス」
 脚立に上ったまんま、ぴらっとスカートを捲ってみせる。
「ぉおおおおおお!!!!」
 今度は何故か男子どもが異様な盛り上がりを見せる。
「てめぇは恥を知れ、恥をぉぉぉぉぉおおお!!!!」
 土方が一人で怒鳴ってる。俺は無視して、飾りを取り続けた。