弁当を食べ終わって、教室を出ようとしたら、
「今日は教室にいろって言っただろ!!!」
 って後ろから怒鳴られた。
 もちろん、無視してだっと走って逃げだした。あーもうまったくつきあってらんねぇ。

 おかげで、いつもの特等席に寝転がっても、いつもだったら30秒で寝れるこの俺が、イライラして、ちっとも眠れなかった。あーもうほんと、あいつムカつく。
 その上、15分もしないで、ワザワザ俺を迎えに来た。

「起きろ。行くぞ、沖田」
 偉そうに腕を組んで仁王立ちで、寝転がってる俺を見下ろす。
「っつーか、ストーカーかお前は」
 俺はあきれ返って呟く。
「行くぞ!!」
 と俺の手を掴んで引っ張る。
「ったくもう中学生になったんだから、一人で行けよ!!!トイレくらい!!!」
「誰が連れションの話をしとるか!!!!」
 まだ昼放課も始まったばかり、五時間目まで、20分以上も前じゃないかよ!!!

 あーもう、ほんとにウゼェ!!!!


 仕方なく、だらだらと体操服に着替えて体育館の二階にある、柔道や剣道の授業をやる、畳敷きになってる競技場に行くと、近藤や土方が率先して、防具を出したり、つけ方を教えたりとその場を仕切っている。
 あぁ、ほんとウゼェなぁ……。俺はやれやれとため息をついて、適当に防具を選んで被ると、頼んでもないのに、土方がやってきて、
「ここをこうして、こう縛るんだ」
 とか何とか言って、こちらから頼んでもないのに全部やってくれる。
「土方……。そんなに俺に触りてぇか?」
「ふざけんな!!!防具が解けたりすると、怪我するんだぞ!!!真面目にやれ!!!!」
 だってさ。

 あーもうほんと、マジでムカつく。マジでやっちゃおうかな。っつーか、やっちゃうか。
「沖田には、俺がみっちり、剣道がなんたるか教えてやるからな」
 土方の鼻息が荒い。っつーかやる気だな?ここぞとばかりに、今までたまった恨みを晴らそうとしてるな?
 だったら、やられる前にやってやる!!!!