「ごめんなさいね、ほんと、口の利き方の知らない子で…」
 と愛想笑いしながらばあちゃんが言う。
「だってほんとの事じゃん」
「恥ずかしいからあんたは黙ってなさい!!」
 と言って、ばあちゃんが俺の頭に拳骨を落とした。いてっ。
「だってコイツ、ほんといちいち口ウルサイんだぜ〜。副委員長だからって俺のこと徹底マークでぐちぐちぐちぐち…」
「それは、お前が授業始まっても寝こけて教室に戻ってこなかったり、課外授業をサボったりするからだろ!!」
「どうせあんたが次々と問題起こすからでしょ!!」
 と土方とばあちゃんに同時に怒鳴られた。
「ほんとごめんなさいね〜。土方くん」
「いえ…副委員長の仕事ですから」
「この子は小学生の頃から、授業中寝てばかりってずっと先生に注意されてきていて……」
「今も寝てばかりです」
「やっぱり……掃除とか帰りの会とかもすぐに逃げ出すでしょ?」
「はい、逃げ出します」
「困ったものよね」
 なんか二人でしみじみと語り合ちゃって、ムカつくんだけど……。
「ったくもう、総悟、中学三年生になっても全然変わんないんだから!!!」
 ってばあちゃんに叱られる。
「余計なこと言うなよ!!!土方!!!」
「本当のことしか言ってない」
 土方が当然といった顔でそう答える。コイツ、やっぱマジでムカつく。

「で、道場はどうだった?土方くん」
 ばあちゃんが話を変える。
「とりあえず、受験が終わったらどこかには通いたいと思ってるので、もう少し考えたいと思います」
「そうねー。受験生だもんねー。
 総悟も受験生なのよね。あんた、ちょっとは勉強してるの?」
 あー。嫌な話をふられた……。
「今更やっても遅いって。どっか行ける高校に入るよ」
「ったくもうあんたって子は!!!
 それに比べて土方くんはしっかりしてるわねぇ…。ほんと、同い年とは思えないわ〜」
 なんだよ!!俺は土方の引き立て役か???