クークーと気持ち良さそうに寝ている。
やれやれ。布団が狭くなった。
こんな性悪でも、責任なんか感じることあんのかね。
実際、俺達はすでにもう色んな組織に狙われているから、総悟が狙われていたのか、俺が狙われていたのか、どっちのついでなのか分からない。
まぁ、あんま安全じゃないことだけは確かだ。だから総悟が責任を感じることじゃない。
やらなきゃやられる、そんな時代の昔話だ。
「土方さーん、起きないとちうしますぜ〜」
……………。夢か?
突然息ができなくなって、苦しくなって飛び起きた。
「おおっ。やっぱ、おまじないは利くな〜」
能天気にすでにとっくにでかくなった総悟が、俺に向かって感心したように言って見せる。
「起きるに決まってるだろぃ!!!鼻つまんで、唇塞ぐたぁ、俺を殺す気か!!!」
鼻をつまんだ状態で、キスされた。
「おはようのちうじゃねぇですか。爽やかな目覚めっしょ?」
「もっと普通に起こせや!!!!殺意を感じたぞ!!!」
「え、死んでくれるんですかぃ?」
「死なねーよ!!!」
「土方さんが寝坊すっからいけないんでしょー?朝飯なくなるっすよ〜?」
軽い足取りで俺の部屋を出て行く。俺は深くため息をつく。
やれやれ、昔の夢か。
総悟はとっくにでかくなった。自分の身は、自分で守れるように。
※このシリーズの続きは赤依個人誌「それでも明日はやってくる」にて。